重度の円背姿勢では肺活量が著しく低下する。姿勢改善は呼吸機能を維持・向上させる可能性が示されている。姿勢を正して深呼吸、胸郭を広げるストレッチ、腹式呼吸トレーニングの3習慣で改善を。

この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!
脊柱側弯症専門のフィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。
はじめに
先日、当院に来院された40代の女性が、こんなふうに話してくれました。
「猫背で息が吸いにくい、浅い呼吸になるのが気になっていました。姿勢を改善するエクササイズを始めてから、息が吸いやすくなったと感じるようになったんです」
その方の話を聞きながら、僕は姿勢と呼吸機能の関係を改めて実感しました。
猫背で息が吸いにくい、浅い呼吸になる。そんな悩みを抱えていませんか?
「気のせいだ」「ただの疲れ」と思われるかもしれませんが、実は猫背と呼吸機能には密接な関係があることが、最新の研究で明らかになっています。
ある姿勢の研究では、重度の円背姿勢では肺活量が著しく低下することが示されました。
今回は、猫背が呼吸機能に与える影響をエビデンスから解説し、姿勢改善による呼吸機能向上の方法をお話しします。
なぜ起こるのか
猫背は、肺活量を低下させ、呼吸筋機能に影響を与える可能性があります。
円背姿勢が肺活量に与える影響
重度の円背姿勢では、肺活量が著しく低下します。
研究では、模擬的円背姿勢が呼吸機能に及ぼす影響が調査されました。
その結果、上位胸椎の後弯および胸郭の可動性低下が、肺機能に影響を及ぼすことが示されました。
つまり、背中が丸まることで胸郭が圧迫され、肺が十分に膨らめなくなってしまうんです。
胸郭というのは、肋骨が籠のように組まれて肺を守っている構造です。
猫背で背中が丸まると、この胸郭が圧迫されて狭くなってしまいます。
肺が十分に膨らむスペースがなくなるため、深い呼吸ができなくなってしまうんですね。
フォワードヘッドポスチャーと呼吸筋の関係
フォワードヘッドポスチャー、頭部が前に出た姿勢は、肺活量を低下させる可能性があります。
研究では、フォワードヘッドポスチャーが強制肺活量と呼吸筋活動に及ぼす影響が調査されました。
そのメカニズムとして、補助呼吸筋の「弱化または不調和」が関与している可能性が示唆されています。
首が前に出ることで、呼吸を助ける筋肉がうまく働かなくなってしまうんです。
呼吸機能に与える影響の性差
興味深いことに、猫背が呼吸機能に与える影響には性差があることが報告されています。
研究では、円背の重症度は女性において肺機能の低下を増悪させるが、男性には影響しないことが示されました。
この性差のメカニズムは完全には解明されていませんが、ホルモンや骨格の違いが関与している可能性があります。
この研究結果は、特に女性の皆さんにとって重要な示唆を含んでいます。
猫背が気になる女性は、呼吸機能への影響も考慮して、早期に姿勢改善に取り組むことが大切かもしれません。
胸郭可動性の低下が呼吸を浅くする
猫背が呼吸機能に影響を与えるもう一つの要因は、胸郭可動性の低下です。
胸椎後弯の増加は、胸郭の可動性低下と関連します。
胸郭コンプライアンスの低下が、肺機能に影響を及ぼすのです。
胸郭コンプライアンスというのは、簡単に言うと胸郭がどれだけ柔軟に膨らんだり縮んだりできるかという能力です。
猫背では、胸郭が硬くなり十分に動かなくなることで、呼吸が浅くなってしまうんです。
フォワードヘッドポスチャーが胸郭に与える影響
Kosekiさんたちの研究では、フォワードヘッドポスチャーが胸郭形状と呼吸機能に及ぼす影響が調査されました。
その結果、フォワードヘッドポスチャーは「上位胸郭の拡張」と「下位胸郭の収縮」を引き起こすことが示されました。
つまり、首が前に出ることで、上の胸郭が広がりすぎ、下の胸郭が狭くなってしまう。
このアンバランスな状態が、呼吸効率を低下させるんです。
運動中の呼吸効率への影響
円背姿勢が動的運動中の呼吸効率に及ぼす影響が調査されました。
その結果、一過性の模擬的円背姿勢は、換気負荷の小さく一貫した増加と関連していることが示されました。
これが運動中の呼吸効率に影響を及ぼす可能性があるんです。
つまり、猫背の状態で運動をすると、呼吸にかかる負担が増し、運動パフォーマンスが低下する可能性があります。
解決の方向性
猫背が呼吸機能に悪影響を与える一方で、姿勢改善によって呼吸機能が向上する可能性もあることが示されています。
姿勢改善が呼吸機能に与える効果
スマートフォン使用時の座位姿勢が呼吸機能に及ぼす影響が調査されました。
その結果、すべり込んだ不良姿勢は肺活量、呼気流速、腰椎前弯を有意に低下させることが示されました。
一方で、姿勢の改善は呼吸機能を維持・向上させる可能性があります。
つまり、ただ姿勢を正すだけで、呼吸が楽になる可能性があるんです。
胸椎矯正エクササイズのエビデンス
2015年の研究では、胸椎矯正エクササイズの効果が検討されました。
運動介入は、加齢による円背を有する高齢女性の弯曲姿勢と胸部機能に寄与する可能性があることが示されました。
2024年の研究では、胸筋ストレッチと肩甲骨強化エクササイズを8週間実施することで、健康な参加者の前方肩姿勢を緩和させる可能性があることが示されました。
肩甲骨の動きを改善することで、胸郭の可動性も向上し、呼吸機能に期待される影響があるんです。
姿勢改善エクササイズの実践
姿勢改善エクササイズとして、胸椎伸展エクササイズが効果的です。
具体的には、背もたれを使って胸椎を伸ばしたり、タオルを背中に巻いて胸を開いたり、四つん這いから片手を天井に向けて伸ばしたりします。
肩甲骨強化としては、肩甲骨を寄せる運動や壁押し運動を行います。
胸筋ストレッチとして、ドア枠を使って胸を開くストレッチや床に仰向けになって胸を広げるストレッチも有効です。
これらを組み合わせることで、相乗効果が期待できるんです。
呼吸機能向上エクササイズ
呼吸機能向上エクササイズもあります。
腹式呼吸の練習として、イメージトレーニングで肋骨が広がるのをイメージします。
胸郭可動性エクササイズとしては、胸郭を広げるストレッチや側屈を使った胸郭の伸張を行います。
腹式呼吸トレーニングとして、仰向けになって手をお腹に置き、吸うときにお腹が膨らむのを意識し、息を吐くときにお腹がへこむのを意識します。
姿勢改善と呼吸機能向上のエクササイズを組み合わせることで、相乗効果が期待できるんです。
今日からできること
呼吸機能を高めるアプローチから始めてみませんか。今日からできることを3つ紹介します。
姿勢を正して深呼吸(1日数回)
座っているときの姿勢を意識します。背筋を伸ばし、胸を開いて深呼吸する。
たったそれだけで、呼吸機能の維持に一助となる可能性があります。1日数回、意識的に深呼吸を行ってください。
深呼吸は、自律神経を整える効果もあります。
ストレスを感じたときや、疲れを感じたときに、意識的に深呼吸をすることで、心身ともにリフレッシュすることができるんです。
胸郭を広げるストレッチ(1日数回)
ドア枠を使って胸を開くストレッチを行います。
ドア枠に両手をついて、一歩前に踏み出し、胸を開いて30秒キープします。
床に仰向けになって胸を広げるストレッチも有効な選択肢の一つです。
もし痛みが出たら中止して、専門家に相談してください。
胸郭を広げるストレッチは、猫背の改善だけでなく、肩こりの解消にも効果があります。
胸が開くことで、首や肩の筋肉の緊張も和らぐんです。
腹式呼吸トレーニング(1日5分)
仰向けになって手をお腹に置きます。
吸うときにお腹が膨らむのを意識し、息を吐くときにお腹がへこむのを意識します。
5分間、呼吸に集中する時間を作ってみましょう。もし呼吸が苦しい場合は、無理をせず専門家に相談してください。
腹式呼吸は、日常的な浅い呼吸を深い呼吸に変える練習です。
継続することで、自然と深い呼吸ができるようになり、呼吸機能の向上につながります。
まとめと次の一歩
猫背は呼吸機能に影響を与える可能性がありますが、姿勢改善で対策できることがエビデンスによって示されています。
重度の円背姿勢では肺活量が著しく低下します。
フォワードヘッドポスチャーは肺活量を低下させる可能性があります。
円背の重症度は女性において肺機能の低下を増悪させますが、男性には影響しません。
姿勢改善は呼吸機能を維持・向上させる可能性があります。
次の一歩として、今日から姿勢を意識し、呼吸エクササイズを始めてみませんか。
まずは、座っているときの姿勢を意識することから始めましょう。
背筋を伸ばし、胸を開いて深呼吸する。
たったそれだけでも、呼吸機能の維持に一助となる可能性があります。
もし、猫背や呼吸機能で気になることがある場合は、無理をせず、早めに専門家に相談してください。
姿勢評価と呼吸機能を考慮した、個別のエクササイズプログラムを提供しています。
一緒に、呼吸の楽なる毎日を目指していきましょう!
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を意図したものではありません。
痛みや不調がある場合、運動中に痛みが出た場合は中止し、必要に応じて医療機関にご相談ください。
2週間以上症状が続く場合は、専門家への受診をおすすめします。
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