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股関節痛

股関節と腸腰筋が歩幅を決める〜体の土台の重要性〜

歩幅を決めるのは股関節と腸腰筋です。腸腰筋は脚を持ち上げる力、姿勢を保つ力、立ち上がり動作を助ける3つの重要な役割を持ち、座りすぎで硬く縮むと歩幅が狭くなり腰痛の原因になります。椅子での片脚上げやストレッチでケアできます。

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この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!

脊柱側弯症専門のフィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。

 

はじめに

前回は、「歩幅が狭いと腰痛になる」という意外な関係性についてお話ししました。今回は、なぜ歩幅が狭くなるのか、そのメカニズムを深く掘り下げていきます。

「散歩が好きで毎日歩いていたのに、最近は足が前に出にくくて、歩くのが億劫になってきた」

先日、80代の女性が当院に来院されました。歩いている姿を見せてもらうと、確かに歩幅がとても狭く、足を引きずるような歩き方になっていました。

ご本人は「年だから仕方ない」と思っていたそうですが、実は、この方の歩幅が狭くなっていた原因の一つに、腸腰筋(ちょうようきん)という筋肉の衰えがありました。
腸腰筋という名前を聞いたことがない方も多いかもしれません。けれども、この筋肉は「歩く力」の要とも言える、とても大切な筋肉なんです。

今日は、股関節と腸腰筋が歩幅を決める理由、そしてなぜこの二つが体の土台として重要なのかについて、お話しします。

なぜ起こるのか

股関節は、体の中心にあって、上半身と下半身をつなぐ「中継地点」のような役割をしています。いわば、体の土台です。
そして、この土台がしっかりと機能するためには、腸腰筋という筋肉が正常に働いている必要があります。

腸腰筋とは、腰の骨(腰椎)と太ももの骨(大腿骨)をつなぐ、体の奥深くにあるインナーマッスル(体の奥深くにある姿勢を支える筋肉)です。
正確には、大腰筋と腸骨筋という二つの筋肉の総称ですが、合わせて「腸腰筋」と呼ばれています。

この腸腰筋には、主に三つの重要な役割があります。

一つ目は、脚を持ち上げる力を生み出すこと。
歩く時、僕たちは無意識に脚を前に振り出しています。この「振り出し」の動作を担っているのが、腸腰筋です。
腸腰筋が弱くなると、脚を前に運ぶ力が弱まり、歩幅が自然と狭くなってしまいます。

二つ目は、姿勢を保つこと。
腸腰筋は、骨盤と背骨を安定させる役割も担っています。腸腰筋が弱ると、骨盤が後ろに傾き、いわゆる「腰が丸まった姿勢」になりやすくなります。
この骨盤後傾(骨盤が後ろに傾くこと)が続くと、腰への負担が増え、腰痛を引き起こしやすくなります。

三つ目は、立ち上がり動作を助けること。
椅子から立ち上がる時、腸腰筋は股関節を曲げる力を発揮して、体を持ち上げる動作をサポートしています。

問題は、この腸腰筋が加齢とともに衰えやすいということです。

現代の生活では、座っている時間がとても長くなっています。デスクワーク、車での移動、テレビを見る時間。
座っている姿勢では、腸腰筋は縮んだまま固まってしまいます。これは、まるでゴムバンドを折り曲げたまま放置しておくと、伸びにくくなるのと同じです。

腸腰筋が硬く縮んだ状態が続くと、脚を大きく前に出すことが難しくなります。
すると、歩幅が狭くなり、歩幅が狭くなると腸腰筋をますます使わなくなり、さらに弱くなる――この悪循環が始まってしまうんです。

さらに、股関節の動きが制限されると、腰が代償動作(かばう動き)として動くようになります。
これは、オーケストラで指揮者が遅れると全体がバラバラになるように、股関節という「指揮者」がしっかり動かないと、腰という「楽器」が無理をして動こうとしてしまうんです。
このような代償動作が続くと、腰への負担が蓄積し、慢性的な腰痛につながってしまいます。

腸腰筋が弱った状態を放置すると、転倒のリスクが高まります。段差でつまずく、急に止まれない、方向転換でバランスを崩す。
こうした事故の背景には、腸腰筋の衰えが隠れていることが少なくありません。

股関節と腸腰筋の評価方法

当院では、股関節と腸腰筋の状態を評価するために、いくつかのテストを行います。

まず、股関節の可動域(関節の動きの範囲)を確認します。
股関節が硬いと、物理的に歩幅を広げることができません。股関節の可動域が制限されていると、歩行時に腰が代償的に動き、腰痛を引き起こしやすくなります。

次に、腸腰筋の筋力を評価します。
椅子に座ったまま、片脚を上げる動作をしてもらいます。腸腰筋が弱いと、脚を高く上げることができません。また、立ち上がり動作でも、腸腰筋の弱さが影響します。

さらに、歩行時の姿勢も観察します。腸腰筋が弱いと、骨盤が後傾し、腰が丸まった姿勢になりやすくなります。
この姿勢の変化も、歩幅が狭くなる原因の一つです。

解決の方向性

股関節と腸腰筋を改善するためには、まず柔軟性を高めることから始めます。
硬く縮んでしまった腸腰筋をゆっくりと伸ばしていくことで、脚を前に出す動きが改善されます。

次に、腸腰筋を正しく使えるようにする練習を行います。
最初は、負荷が軽い状態で、正しい動きを何度も繰り返します。これにより、眠っていた腸腰筋が少しずつ目覚めていきます。

最後に、歩行や立ち上がり動作に統合していきます。
実際の動作の中で腸腰筋を使う練習をすることで、日常生活で必要な動きへとつなげていきます。

この段階的なアプローチの良いところは、「痛みなく、安全に進められる」ことです。
痛みが出たらすぐに負荷を調整できるので、無理なく、着実に機能を回復させていくことができます。

先ほどの80代の女性も、このアプローチを続けた結果、歩幅が広がり、歩く時の足運びがスムーズになってきました。
「散歩がまた楽しくなってきた」とおっしゃっていたのが、僕にとってもとても嬉しい言葉でした。

今日からできること

股関節と腸腰筋をケアし、歩幅を維持するために、今日から自宅でできることを3つお伝えします。

1. 椅子に座ったまま片脚上げ(各10回×左右)

安定した椅子に深く座り、背筋を伸ばします。片方の膝をゆっくりと持ち上げ、太ももが座面から少し浮くところで2秒キープ。ゆっくり下ろします。
これを左右各10回ずつ行います。腸腰筋を意識して「脚の付け根から持ち上げる」イメージで行うのがポイントです。
痛みが出たらすぐに中止してください。

2. 立位での腸腰筋ストレッチ(各20秒×左右)

壁や椅子の背もたれに手をついて、安定した姿勢をとります。片足を一歩後ろに引き、後ろ足のかかとを床につけたまま、骨盤を少し前に押し出します。
股関節の前側(太ももの付け根)が伸びる感覚があれば成功です。各20秒、左右交互に行います。
腰を反らせすぎないように注意してください。痛みが出たらすぐに中止してください。

3. 股関節を回すストレッチ(各10回×左右)

お風呂上がりは、体が温まって筋肉が柔らかくなっている、ストレッチに最適なタイミングです。
片足を上げて、股関節を大きく回します。時計回りと反時計回り、それぞれ10回ずつ行います。
股関節の可動域が広がると、歩幅を広げやすくなります。痛みが出たらすぐに中止してください。

まとめと次の一歩

股関節と腸腰筋は、歩幅を決める「体の土台」として、とても重要な役割を担っています。
腸腰筋が弱くなったり、股関節の動きが制限されたりすると、歩幅が狭くなり、腰痛を引き起こしやすくなります。

加齢や座りすぎによって腸腰筋が衰えると、歩幅が狭くなり、つまずきやすくなり、活動量が減って、さらに筋力が落ちる――この悪循環が始まってしまいます。

けれども、腸腰筋は何歳からでも活性化できます
大切なのは、無理をせず、安全な方法で、少しずつ刺激を与えていくこと。椅子での片脚上げ、ストレッチ、股関節を回す運動。
小さな積み重ねが、大きな変化につながります。

次回は、「歩幅を広げて腰痛を改善する」具体的な方法について、レッドコード整体でのアプローチと、より実践的なセルフケアをお話しします。
痛みゼロ原則に基づいた、安全で効果的な改善方法を知ることで、あなたの腰痛改善の道筋がより明確になります。ぜひ、次回もお読みください。

もし、股関節や腸腰筋の硬さや弱さが気になる場合、または歩行に不安がある場合は、一度専門家に評価を受けてみることをおすすめします。
当院でも、歩行評価を含めた総合的な体のケアをサポートしています。

「90歳でも自分の脚で歩ける体」を目指して、今日からできることを、少しずつで大丈夫です。
股関節と腸腰筋の重要性を理解し、ケアを始めることが、腰痛のない、快適な毎日への第一歩です。


※免責事項
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を意図したものではありません。
痛みや不調がある場合、運動中に痛みが出た場合は中止し、必要に応じて医療機関にご相談ください。
2週間以上症状が続く場合は、専門家への受診をおすすめします。
 

公式LINEから24時間受け付けてます!
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