慢性腰痛に悩む方の多くが歩幅が狭いことに気づいていません。歩幅が年齢相応より10%長い人は健康リスクが低く、理想は身長の約45%(160cmなら約72cm)です。普段の歩行時に「靴一足分」プラスするだけで腰痛予防につながります。

この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!
脊柱側弯症専門のフィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。
はじめに
「慢性的な腰痛に悩んでいて、色々な治療を試したけど、なかなか良くならないんです」
先日、当院に来院された60代の男性が、そうおっしゃっていました。
お話を聞いてみると、腰痛は10年以上続いていて、最近は歩くのも億劫になってきたとのこと。
実際に歩いてもらうと、歩幅がかなり狭いことが分かりました。
本人は、歩幅が狭いことと腰痛の関係に、全く気づいていませんでした。
実は、この患者さんのように、慢性腰痛に悩む方の多くは、歩幅が狭い傾向があります。
そして、本人はそのことに気づいていないことがほとんどです。
歩幅と腰痛の関係は、意外と知られていない重要なテーマなんです。
今回は、なぜ歩幅が狭いと腰痛になるのか、そしてどう改善すればいいのか、僕がこれまで診てきた数多くの症例を交えながらお話ししていきます。
なぜ起こるのか
歩幅が狭いと、腰回りと股関節に小さな負担が積み重なっていきます。
これは、まるで小さな石が積み重なって、やがて大きな山になるようなものです。
歩幅が狭いと、一歩一歩の動きが小さくなります。
動きが小さいと、股関節や腰の筋肉は、本来使うべき力の一部しか使えません。
すると、使われない筋肉は硬くなり、使われすぎる筋肉は疲労してしまいます。
特に、股関節の動きが制限されると、腰への負担が一気に増えます。
股関節は、歩く時に体重を受け止め、次の一歩へと体を運ぶ、いわば「体の土台」のような存在です。
この土台がしっかり動かないと、その上の腰が代わりに動こうとして、無理な負担がかかってしまうんです。
このような、本来使うべき場所が動かない時に、別の場所が代わりに動くことを「代償動作(かばう動き)」と呼びます。
歩幅が狭い状態が続くと、股関節周りの筋肉が硬くなり、関節の動きも悪くなります。
股関節の可動域制限(関節の動きが悪くなること)が進むと、腰はさらに無理をしなければならなくなり、慢性的な腰痛につながってしまいます。
さらに、歩幅が狭いと、骨盤の動きも小さくなります。
骨盤は、歩く時に左右に回旋しながら、体を前に進める役割を担っています。
この回旋が小さくなると、腰の筋肉に余計な負担がかかり、痛みを引き起こしやすくなります。
高齢でも歩幅の広い方は腰痛になりにくい
僕がこれまでに診てきた患者さんの中で、印象的なことがあります。
それは、80代でも90代でも、歩幅が広い方は、腰痛や膝痛になりにくいということです。
これは、歩幅が広いことで、股関節や腰の筋肉がしっかりと使われ、柔軟性が保たれているからだと考えられます。
歩幅が広いと、股関節は大きく動き、腰の筋肉も適度に伸び縮みします。
この動きが、筋肉の柔軟性を保ち、関節の動きを滑らかにしてくれるんです。
逆に、若くても歩幅が狭い方は、将来的に腰痛や膝痛になるリスクが高くなります。
歩幅が狭い状態が続くと、股関節や腰の筋肉が硬くなり、関節の動きも悪くなります。
これが、年齢を重ねるにつれて、痛みとして現れてくるんです。
研究によれば、歩幅が年齢相応より10%長い人は、糖尿病や心疾患の発症リスクが有意に低いという報告もあります。
歩幅は、単に歩くスピードよりも、個人の健康度を映し出す重要な指標なんです。
解決の方向性
当院では、腰痛で来院された患者さんに対して、必ず歩行評価を行います。
歩行評価では、歩幅、歩行速度、歩行時の姿勢、股関節や腰の動きをチェックします。
歩幅の測定は、簡単にできます。
10歩歩いてもらい、その距離を測り、10で割ると、平均的な歩幅が分かります。
一般的に、歩幅は身長の約45%が理想とされています。身長160cmの方であれば、約72cmが理想的な歩幅です。
歩行評価が終わると、歩幅を広げるためのアプローチを始めます。
まずは、股関節と腰の柔軟性を改善することから始めます。
股関節が硬いと、歩幅を広げようとしても、物理的に広げられないからです。
股関節の柔軟性を改善するために、股関節を回すストレッチや、太ももの裏を伸ばすストレッチを行います。
これらのストレッチは、痛みが出ない範囲で、ゆっくりと行います。
次に、実際に歩幅を広げる練習をします。
最初は、無理をせず、自分の歩幅に「靴一足分」だけプラスして歩くようにします。
これは、約5〜10cm程度の違いですが、この小さな違いが、大きな変化につながります。
歩幅を広げる練習を続けると、股関節や腰の筋肉がしっかりと使われるようになり、柔軟性も改善していきます。
この段階的なアプローチを繰り返すことで、歩幅を広げ、腰痛を改善していきます。
今日からできること
歩幅を広げて腰痛を予防するために、今日からできることを3つお伝えします。
- 自分の歩幅を測定してみる(10歩歩いて距離を測り、10で割る)
まずは、自分の現在の歩幅を知ることが大切です。
平らな場所で、10歩歩いてみてください。その距離を測り、10で割ると、あなたの平均的な歩幅が分かります。
理想は身長の約45%です。
例えば、身長160cmの方であれば、約72cmが理想的な歩幅になります。現在の歩幅と比較してみてください。
- 普段の歩行時に「靴一足分」プラスして歩く(約5〜10cm)
歩幅を広げる練習は、特別な時間を作る必要はありません。
普段歩く時に、意識するだけで始められます。
自分のいつもの一歩に、ほんの「靴一足分」だけプラスして歩いてみてください。
これは、約5〜10cm程度の違いですが、この小さな違いが、大きな変化につながります。
最初は違和感があるかもしれませんが、続けていると、自然と歩幅が広がっていきます。
- 歩幅が狭いと感じる動作をメモする
歩幅が狭いと感じる動作や場面をメモしておくと、自分の体の状態を把握しやすくなります。
例えば、「階段を上る時」「疲れている時」「朝起きた時」など、どんな時に歩幅が狭くなるのかを記録しておくと、改善のヒントが見えてきます。
痛みが出たらすぐに中止してください。
まとめと次の一歩
歩幅が狭いと、腰回りと股関節に小さな負担が積み重なり、慢性的な腰痛につながります。
逆に、歩幅が広いと、股関節や腰の筋肉がしっかりと使われ、柔軟性が保たれ、腰痛になりにくくなります。
歩幅を広げることは、特別な時間を作る必要はありません。
普段歩く時に、意識するだけで始められます。
自分のいつもの一歩に、ほんの「靴一足分」だけプラスして歩く。
この小さな意識が、大きな健康につながります。
歩くことは、毎日当たり前にすることだからこそ、ちょっと意識するだけで効果は絶大です。
歩幅を広げることで、腰痛を予防し、いつまでも元気で動ける体を保っていきましょう。
次回は、「なぜ歩幅が狭くなるのか」のメカニズムについて、股関節と腸腰筋の役割を詳しくお話しします。
歩幅を決める体の仕組みを知ることで、より効果的なケアができるようになります。ぜひ、次回もお読みください。
もし、歩幅を広げようとしても痛みが出る場合や、股関節や腰の硬さが気になる場合は、無理をせず、早めに専門家に相談することをおすすめします。
当院でも、歩行評価を含めた、総合的な体のケアのサポートをさせていただいています。
長期的な健康は、日常の小さな積み重ねから始まります。
歩幅を意識して、腰痛のない、快適な毎日を送っていきましょう。
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本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を意図したものではありません。
痛みや不調がある場合、運動中に痛みが出た場合は中止し、必要に応じて医療機関にご相談ください。
2週間以上症状が続く場合は、専門家への受診をおすすめします。
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