回復は急性期(約1週間)・回復期(1〜4週間)・予防期(1ヶ月以降)の3段階で、時期に応じた安静と活動量の調整、10分の散歩などの目安が再発予防の鍵とまとめる。

この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!
脊柱側弯症専門のフィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。
はじめに
「ネットで調べると、安静にしろって書いてあるサイトと、動いたほうがいいって書いてあるサイトがあって…。どっちが正しいかわからなくて」
先日来院された40代の女性が、困った顔でそうおっしゃいました。
ぎっくり腰になって5日目。
痛みは少し落ち着いてきたけれど、何をすればいいかわからず、結局ずっと寝ていたとのこと。
「動いたら悪化するかもしれないし、でも寝てばかりも良くない気がして」と、板挟みの状態でした。
この混乱、よくわかります。
ぎっくり腰の情報は本当にたくさんあって、しかも言っていることがバラバラに見えることがある。
「安静が大事」と書いてあるサイトもあれば、「早く動いたほうがいい」と書いてあるサイトもある。
どちらを信じればいいのか、迷ってしまいますよね。
実は、どちらも正しいんです。
ただ、「時期」が違うだけなんです。
今回は「ぎっくり腰からの回復、いつ何をすればいいのか」について、段階ごとの過ごし方をお話しします。
今の自分がどの段階にいるのかがわかれば、何をすべきかも見えてきます。
ぎっくり腰には「段階」がある
ぎっくり腰からの回復には、大きく分けて3つの段階があります。
急性期、回復期、予防期です。
急性期は、発症直後から約1週間。
痛みが強く、動くのがつらい時期です。
回復期は、約1〜4週間。
痛みが落ち着いてきて、少しずつ動けるようになる時期。
予防期は、約1ヶ月以降。
痛みはほぼなくなり、再発を防ぐための体づくりをする時期です。
この3つの段階によって、「すべきこと」が変わります。
急性期に無理に動くと、炎症が悪化して痛みが長引くことがあります。
一方で、回復期に安静にしすぎると、筋力が落ちて慢性化のリスクが高まります。
骨折の治療に例えるとわかりやすいかもしれません。
骨折の治りかけで走り出すのも良くないし、治った後もずっとギプスをしているのも良くない。
時期に応じた対応が大切なんです。
「安静にすべき」という情報も「動いたほうがいい」という情報も、どちらも間違っていません。
ただ、それぞれ想定している「時期」が違うだけ。
だからこそ、今の自分がどの段階にいるのかを知ることが、最初の一歩になります。
急性期(発症〜約1週間)の過ごし方
急性期は、痛みが最も強い時期です。
じっとしていても痛かったり、少し動いただけで激痛が走ったりします。
この時期の目標
急性期の目標は、痛みを悪化させないこと、炎症を落ち着かせることです。
体が「今は休んで」とサインを出している時期なので、そのサインに従うことが大切です。
すべきこと
まずは、痛みが楽な姿勢を見つけて休みましょう。
横向きで膝を軽く曲げる、仰向けで膝の下にクッションを入れる、うつ伏せでお腹の下に枕を入れるなど、人によって楽な姿勢は違います。
「この姿勢なら少し楽」というポジションを探してください。
発症直後から48時間程度は、氷嚢やアイスパックで冷やすのも効果的です。
タオルで包んで、痛みのある部分に15〜20分程度当てます。
冷やしすぎは良くないので、皮膚の感覚がなくなる前に外してください。
深呼吸も助けになります。
痛みがあると呼吸が浅くなり、体全体がこわばります。
鼻から4秒吸って、口から8秒かけてゆっくり吐く。
これを繰り返すだけでも、緊張が少し和らぎます。
避けること
痛みを我慢して動くのは避けてください。
「動いたほうが早く治る」という情報もありますが、それは回復期の話です。
急性期に無理に動くと、炎症が悪化することがあります。
長時間の同じ姿勢も避けましょう。
楽な姿勢でも、ずっと同じ姿勢でいると筋肉が固まります。
30分〜1時間に1回は、少し姿勢を変えてみてください。
重いものを持つ、前屈みで作業するなど、腰に負担がかかる動作は控えてください。
どうしても必要な場合は、誰かに手伝ってもらいましょう。
来院の目安
痛みで全く動けない場合、脚にしびれがある場合、排尿・排便に問題がある場合は、早めに専門家に相談してください。
特に脚のしびれや排尿障害がある場合は、医療機関の受診をおすすめします。
回復期(約1〜4週間)の過ごし方
回復期は、痛みが落ち着いてきて、少しずつ動けるようになる時期です。
じっとしていれば痛みはほとんどないけれど、動くと痛みが出ることがある、という状態です。
この時期の目標
回復期の目標は、動きを少しずつ取り戻すことです。
急性期で休んでいた分、筋力や柔軟性は落ちています。
それを少しずつ回復させていく時期です。
すべきこと
痛みの範囲内で、軽い活動を始めましょう。
最初は短い散歩からで十分です。
歩幅を小さめに、ゆっくりと、10分程度から始めてみてください。
日常動作も少しずつ再開します。
座る、立つ、歩く、階段を上るなど、普段の動きを痛みの範囲内で行っていきます。
「動いても大丈夫」という成功体験を重ねることが、回復を後押しします。
この時期は、レッドコード整体が最も活きる時期でもあります。
免荷環境で、痛みなく動きを取り戻す練習ができるからです。
「動きたいけど、まだ怖い」という方にとって、安全に動ける環境があることは大きな助けになります。
避けること
完全な安静を続けることは避けてください。
「まだ痛いから」と寝てばかりいると、筋力がどんどん落ちていきます。
第2回でお話しした「悪循環」が始まってしまいます。
急な負荷の増加も避けましょう。
「だいぶ楽になったから」といきなり運動を始めたり、重いものを持ったりすると、再び痛みが出ることがあります。
少しずつ、段階的に増やしていくことが大切です。
かばう動きが固定化しないよう、意識することも大事です。
左右で動きに差がないか、鏡でチェックしてみてください。
予防期(約1ヶ月以降)の過ごし方
予防期は、痛みがほぼなくなり、日常生活には問題がない状態です。
ただ、「また痛くなるかも」という不安が残っていることが多い時期でもあります。
この時期の目標
予防期の目標は、再発しない体をつくることです。
痛みがなくなった時点で「治った」と思いがちですが、実はここからが本番とも言えます。
弱くなった筋肉を強化し、正しい動きのパターンを体に覚えさせる。
この作業を怠ると、再発のリスクが高まります。
すべきこと
弱くなった筋肉の強化に取り組みましょう。
特に体幹(お腹や背中)の筋肉、股関節周りの筋肉が大切です。
最初は軽い負荷から始めて、徐々に増やしていきます。
正しい動きのパターンを練習することも重要です。
物を拾う時、立ち上がる時、座る時など、日常の動作を「腰に負担がかからない方法」で行う習慣をつけます。
これは意識だけで変わるものではなく、繰り返し練習して体に覚えさせる必要があります。
レッドコード整体では、この「運動学習」を段階的な負荷で行います。
免荷環境から始めて、少しずつ負荷を上げていく。
そうすることで、正しい動きを安全に体に覚えさせることができます。
避けること
「治った」と油断して元の生活に戻ることは避けてください。
痛みがなくなっても、弱くなった筋肉や崩れた動きのパターンは残っています。
そのまま元の生活に戻ると、また同じ部位に負担がかかり、再発につながります。
姿勢や動きのクセを放置することも良くありません。
デスクワーク中の猫背、片足に体重をかける立ち方、腰を丸めて物を拾う癖など。
こうした小さなクセが、積み重なって再発の原因になります。
今日からできること
自分が今どの段階にいるのかを確認し、その段階に合った過ごし方をしましょう。
- 今の段階を確認する
急性期:じっとしていても痛い、少し動いただけで激痛がある。
回復期:じっとしていれば楽、動くと痛みが出ることがある。
予防期:日常生活はほぼ問題なし、でも不安は残っている。 - 段階に応じた過ごし方
急性期の方:痛みが楽な姿勢で休む、無理に動かない、冷やす。
回復期の方:10分の散歩から始める、痛みの範囲内で日常動作を再開。
予防期の方:軽い筋トレを取り入れる、姿勢と動きを意識する。 - 「次の段階に進むサイン」を知る
急性期→回復期:じっとしていれば痛みがほとんどない状態が続く。
回復期→予防期:日常動作で痛みがほぼ出ない。ただし、これはあくまで目安です。
回復のスピードには個人差がありますし、段階の境目がはっきりしないこともあります。
「今の自分に何が必要か」がわからない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
まとめと次の一歩
ぎっくり腰からの回復には、急性期・回復期・予防期の3つの段階があります。
「安静にすべき」か「動くべき」かは、この段階によって変わります。
急性期は痛みを悪化させないことが最優先。
回復期は少しずつ動きを取り戻す時期。
予防期は再発しない体をつくる時期。
今の自分がどの段階にいるのかを知り、その段階に合った対応をすることが、回復への近道です。
「いつまでも良くならない」「何をすればいいかわからない」という方は、もしかすると段階と対応がずれているのかもしれません。
急性期なのに無理に動いている、回復期なのに安静にしすぎている、予防期なのに何もしていない。
こうしたずれを修正するだけで、回復が進み始めることもあります。
次回は最終回。
「ぎっくり腰を繰り返さない体は作れる?」
をテーマに、再発予防のための運動学習とセルフケアについてお話しします。
「もう繰り返したくない」という方は、ぜひ最終回もご覧ください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を意図したものではありません。
痛みや不調がある場合、運動中に痛みが出た場合は中止し、必要に応じて医療機関にご相談ください。
2週間以上症状が続く場合は、専門家への受診をおすすめします。
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参考文献
- 急性腰痛診療ガイドライン(段階的活動復帰の推奨)
- Neuracメソッドの科学的根拠に基づく臨床応用レビュー










