思春期特発性側弯症は、身長が伸びる時期とコブ角の大きさで進みやすさが変わります。3つの確認点を押さえ、自己判断の様子見だけにしないことが大切です。

この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!
成長期の姿勢や身体の使い方に関するご相談を受けているフィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。
はじめに
「側弯症と言われました。まだ身長が伸びているのですが、この先どれくらい進みますか?」
思春期特発性側弯症の相談では、保護者の方からこの不安をよく聞きます。
痛みが強くないことも多いので、本人は普通に学校生活を送っているのに、親御さんだけが検索を続けて眠れなくなることもあります。
先日も、中学生のお子さんのお母さんが「半年で身長がかなり伸びたあと、肩の高さが前より違って見える気がする」と相談に来られました。
学校検診後に整形外科で思春期特発性側弯症、つまり成長期に見つかる原因がはっきりしない側弯症と説明され、次の確認までの数か月をどう過ごせばよいか迷っていました。
僕が最初にお伝えしたいのは、見た目だけで進行を決めつけないこと、そして不安だからといって自己判断の様子見だけで終わらせないことです。
思春期特発性側弯症は、身長が伸びる時期、コブ角、骨の成長余力を合わせて見ていく必要があります。
なぜ起こるのか
思春期特発性側弯症では、背骨が横に曲がるだけでなく、ねじれも伴うことがあります。
専門的にはコブ角という数字で曲がりの大きさを見ます。コブ角はレントゲン画像で測る角度のことで、家庭の鏡や写真だけでは正確に分かりません。
ここで大切なのが、成長の残り具合です。
背骨を積み木の柱にたとえると、まだ上に積み足している時期は、途中の小さな傾きが上に行くほど目立ちやすくなります。
だから、同じ角度に見えても、成長がたくさん残っている子と、成長が落ち着いてきた子では、見守り方が変わります。
2015年の系統的レビューでは、初期のコブ角が大きいこと、骨の成熟がまだ低いこと、装具中に角度やねじれが変わることなどが、進行と関連する候補として整理されました。
ただし、どの指標だけで将来を正確に予測できる、というほど単純ではありません。
研究の確かさには差があり、複数の情報を合わせて見る必要があるとされています。
2016年SOSORTガイドラインでも、成長期の側弯症は評価、装具、側弯症特異的運動、スポーツ活動などを状態に応じて組み合わせる考え方が示されています。
運動は身体の使い方や生活のしやすさを支える選択肢になり得ますが、画像での確認や医師の方針を置き換えるものではありません。
さらに2013年のBrAISTでは、進みやすい条件の子どもたちで装具と経過観察が比べられました。
骨の成長が落ち着くまでに50度未満で保たれた割合は、装具群で72%、経過観察群で48%でした。
この数字は「装具をつければ誰でも同じ結果になる」という意味ではありませんが、進みやすい時期には医療フォローの重要性があることを示しています。
解決の方向性
僕が大切だと思っている流れは、まず整形外科で現在地を確認し、次に家庭で観察するポイントを絞り、そのうえで身体の使い方を無理なく整えることです。
最初に確認したいのは、コブ角が何度か、骨の成長がどれくらい残っているか、次の画像確認がいつか。この3つです。
「前より肩が下がって見える」「背中の片側が盛り上がって見える」という気づきは大切です。
ただ、それだけで進んだと決めるのは早いです。制服、荷物、写真の角度、立ち方の癖でも見え方は変わります。
家庭での観察は、医療機関に伝える材料として残すくらいがちょうどよいです。
身体の使い方を見るときは、強く伸ばす、押す、ねじるような方法から始める必要はありません。
胸郭、つまり胸のかごの動き、足裏への体重の乗り方、座っているときの左右差を、痛みのない範囲で確認します。
レッドコードを使う場合も、体重の一部を預けて負担を軽くし、怖さや力みが少ない状態で動きを見ていきます。
2025年のランダム化比較試験をまとめたネットワークメタ解析では、装具と側弯症特異的運動を組み合わせる方法などに一定の可能性が示されました。
一方で、研究ごとに対象者、角度、期間、運動内容がそろっていないため、家庭の運動だけで進行を判断するのは安全ではありません。
だからこそ、画像での確認と日常での観察を分けて考えることが大切です。
今日からできること
成長と受診のメモを1枚にまとめる(目安:5分)
最近6か月の身長の変化、初回に聞いたコブ角、次の受診予定を1枚に書きます。
分からない項目は空欄で大丈夫です。
次の受診で「身長がどれくらい伸びている時期か」「次はいつ確認するか」を聞きやすくなります。背中の左右差は月1回だけ同じ条件で見る(目安:月1回、30秒)
お風呂上がりなど同じ時間帯に、後ろ姿と前かがみの背中を写真で残します。
毎日見比べると親子とも疲れやすいので、月1回に絞ってください。
強く前屈させたり、痛みが出る姿勢を取らせたりする必要はありません。
痛みが出たら中止してください。座り方と荷物の偏りを1週間だけ観察する(目安:1日1場面)
勉強中に片肘へ寄りかかる、リュックを片側だけで持つ、体育後に片側だけ疲れやすいなど、生活で気になる場面を1日1つだけメモします。
姿勢を叱るためではなく、相談時に伝える材料を集めることが目的です。
まとめと次の一歩
思春期特発性側弯症で「どれくらい進むのか」が不安なときは、見た目の左右差だけで判断せず、コブ角、成長余力、次の画像確認の時期を整理することが大切です。
特に身長がよく伸びている時期は、自己判断の様子見だけで終わらせず、医療フォローの中で現在地を確認してください。
研究を見ると、初期の角度や骨の成熟度は進行リスクを考える材料になり、装具や側弯症特異的運動は状態によって役割があります。
一方で、家庭の運動や姿勢チェックだけで将来を決められるものではありません。
できることは、不安をあおることではなく、必要な情報を整理して次の相談につなげることです。
お子さん本人が「自分の背中は悪い」と感じすぎないように、家庭では観察を短く、声かけをやわらかくしてください。
必要な確認をしながら、できることから少しずつ進めていきましょう!
参考文献
- Predictors of spine deformity progression in adolescent idiopathic scoliosis: A systematic review with meta-analysis.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26301183/ - 2016 SOSORT guidelines: orthopaedic and rehabilitation treatment of idiopathic scoliosis during growth.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29435499/ - Effects of bracing in adolescents with idiopathic scoliosis.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24047455/ - Comparative efficacy of conservative interventions for adolescent idiopathic scoliosis: a systematic review and network meta-analysis of randomized controlled trials.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40739527/
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を意図したものではありません。
痛みや不調がある場合、運動中に痛みが出た場合は中止し、必要に応じて医療機関にご相談ください。
しびれ、強い痛み、急な左右差の変化、歩きにくさがある場合は、整形外科などの医療機関にご相談ください。
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