筋膜リリースとドライニードリングを使い分けることで、腰痛の平均40〜60%改善や可動域の大幅向上が報告されており、優しいセルフケアも有効です。
この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!
脊柱側弯症専門のフィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。
前回は「ストレイン・カウンターストレイン」という、ちょっと舌を噛みそうな名前の治療法についてお話ししました。
今回は、さらに興味深い2つのアプローチ「筋膜リリース」と「ドライニードリング」について、実際の施術経験を交えながらご紹介しますね。
筋膜リリースって何?〜身体の「包装紙」を整える技術〜
筋膜は身体を包む「高級ラップ」
筋膜を簡単に説明すると、筋肉を包んでいる薄い膜のことです。
鶏肉の表面にある半透明の膜が筋膜で、人間の身体ではこの筋膜が全身をネットワークのようにつないでいます。
筋膜が硬くなったり癒着したりすると、腰痛の原因になることが分かっています。
特に背中の大きな筋膜(胸腰筋膜)は神経が多く、ここに問題があると痛みを感じやすいのです。
筋膜リリースの実際〜優しく「ほぐす」技術〜
筋膜リリースは、硬くなった筋膜を優しくほぐしていく技術です。
くしゃくしゃになったサランラップを、ゆっくり伸ばすイメージ。
実際の施術では手のひらや指を使い、持続的な圧でじっくりアプローチします。
急激な力は使わず、患者さんからは「温かい手で優しく押されているよう」「身体の奥がじんわりほぐれる」といった声をいただきます。
ある研究では、筋膜リリースで前屈動作が大幅に改善した例も報告されています。
ドライニードリング〜鍼を使った現代的アプローチ〜
東洋医学の鍼とは違う?
ドライニードリングは、従来の東洋医学の鍼治療とは異なり、西洋医学的な解剖学・生理学に基づく手法です。
筋膜トリガーポイント(筋肉の中の硬いコリ)に直接アプローチします。
トリガーポイントを「リセット」する
鍼がトリガーポイントに入ると、筋肉がピクッと反応する「局所単収縮反応」が起きることがあります。
これにより筋肉内の血流改善、痛み物質の除去、神経の過敏状態の緩和などが期待できます。
特に腰方形筋や中殿筋のトリガーポイントに施術すると、腰痛が劇的に改善する場合もあります。
2つのアプローチの使い分け〜あなたに合うのはどっち?〜
筋膜リリースが向いている人
- 広い範囲に痛みや違和感がある方
- 身体が硬くて動きにくい方
- 優しい施術を好む方
ドライニードリングが向いている人
- ピンポイントで痛い場所がある方
- 慢性的な腰痛に悩んでいる方
- 即効性を求める方
実際の症例から学ぶ〜組み合わせの威力〜
48歳女性Aさんのケース
デスクワークで1日8時間座りっぱなしだったAさんは「腰が重くて、朝起きるのが辛い」と訴えていました。
初回評価で腰方形筋のトリガーポイントにドライニードリング、その後筋膜リリースを組み合わせた結果、前屈が15cmも改善し、「腰が軽い!」と驚かれていました。
自宅でできる簡単セルフケア
テニスボールを使った筋膜リリース
- テニスボール1個を用意
- 仰向けで腰の下にボールを置き、気持ちよい程度に圧をかけて30秒〜1分キープ
- 座った状態でお尻の下にボールを置き、硬い部分で30秒キープ
ストレッチで筋膜を伸ばす
キャット&カウ(猫と牛のポーズ)
- 四つん這いになる
- 息を吸いながら背中を反らせる(牛のポーズ)
- 息を吐きながら背中を丸める(猫のポーズ)
- これを10回繰り返す
このストレッチは背中全体の筋膜を優しく動かします。
まとめ
筋膜リリースもドライニードリングも、それぞれ素晴らしい効果があります。
大切なのは、身体の状態に合わせて適切な方法を選ぶこと。
研究では、施術やセルフケアで痛みの軽減(平均40〜60%)、可動域の改善(前屈で10〜20cm)、生活の質の向上が報告されています。
自分に合う方法がわからない場合は専門家に相談し、一緒に痛みのない毎日を目指しましょう。
参考文献
1. 筋膜リリースの効果を包括的に検証した研究
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34395477/
2021年のWuらによるシステマティックレビューとメタアナリシスで、筋膜リリースが慢性腰痛患者の痛みと身体機能を有意に改善することが示されています。この研究は、僕が記事で「筋膜リリースを受けた患者さんの前屈が大幅に改善した」と書いた内容を裏付けてくれています。
2. 筋膜リリースの臨床効果を実証したRCT
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28441294/
Arguisuelasらの2017年の研究では、非特異的慢性腰痛に対する筋膜リリースの効果を54名の患者で検証し、痛みと機能障害の有意な改善を報告しています。記事で紹介した「48歳女性Aさんのケース」のような改善例を科学的に支持する内容です。
3. ドライニードリングの効果に関するメタアナリシス
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28690077/
Liuらの2018年のメタアナリシスは、11のRCTから802人の患者データを分析し、ドライニードリングが腰痛の強度を軽減し(SMD -1.06)、特に他の治療法と併用した場合により効果的であることを示しています。これは、僕が「複合的なアプローチの威力」として書いた内容を強く支持しています。
4. 筋膜リリースと可動域改善の関係
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36775506/
Kamaliらの2022年の研究では、横隔膜と腸腰筋の筋膜リリースが腰椎の可動域、柔軟性、胸壁の可動性を有意に改善することが報告されています。記事で「前屈が15センチも深くできるようになった」と書いた具体例を裏付ける研究です。
5. 筋膜リリースと運動療法の組み合わせ効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31631992/
Ozsoyらの2019年の研究では、筋膜リリースとコア安定化運動を組み合わせることで、高齢者の非特異的腰痛により良い効果が得られることが示されています。これは、記事で紹介したセルフケアの重要性と、専門的な施術との組み合わせの有効性を支持しています。
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