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【筋・筋膜性腰痛解説シリーズ】第6回:なぜ「姿勢を良くしなさい」と言われるの?〜筋膜から見た姿勢と腰痛の深い関係〜

悪い姿勢は筋膜の高密度化や癒着を招き、腰痛リスクを2倍以上高めるため、30分ごとに姿勢を変えて筋膜を動かすことが腰痛予防に効果的です。

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この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!

脊柱側弯症専門のフィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。

筋膜は全身をつなぐ「張力のネットワーク」

まず、筋膜について少し復習しましょう。

筋膜は、筋肉を包む薄い膜のことですが、実は全身を覆う一つの大きなネットワークとして機能しています。

想像してみてください。
全身タイツを着ているような感じで、体中がつながった膜で覆われている状態を。

この筋膜のネットワークは「テンセグリティ」と呼ばれる構造をしていて、どこか一部分に力が加わると、その影響が全身に伝わる仕組みになっています。

たとえば、足の裏の筋膜が硬くなると、その影響がふくらはぎ、太もも、そして腰まで伝わることがあります。
僕も以前、患者さんで「腰が痛い」と来院された方の足の裏をほぐしたら、腰痛が軽くなったケースを何度も経験しています。

悪い姿勢が筋膜にストレスを与える理由

1. 持続的な引っ張りストレス

猫背でいると、背中の筋膜は常に引き伸ばされた状態になります。
逆に、お腹側の筋膜は縮んだ状態に。この不均衡が続くと、筋膜の柔軟性が失われ、硬くなってしまいます。

僕の院に来る患者さんでも、デスクワークで一日中パソコンに向かっている方は、背中がガチガチに硬くなっていることが多いんです。
触診すると、筋膜が板のように硬くなっているのが分かります。

2. 筋膜の「高密度化」

長時間同じ姿勢でいると、筋膜の中の水分が減少し、コラーゲン繊維が密集して「高密度化」という現象が起きます。
これは、濡れたスポンジを絞って乾かしたような状態をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。

高密度化した筋膜は、本来の滑らかな動きができなくなり、筋肉の動きを制限してしまいます。
これが、朝起きた時に体が硬く感じる原因の一つなんです。

3. 筋膜同士の「癒着」

さらに悪いことに、動かない状態が続くと、筋膜の層と層がくっついてしまう「癒着」が起こります。
本来、筋膜は何層にも重なっていて、お互いに滑るように動くことで、スムーズな体の動きを可能にしています。

でも、癒着が起こると、この滑走性が失われ、動きが制限されるだけでなく、痛みの原因にもなってしまうんです。

日常生活で気をつけたい姿勢のポイント

座り姿勢の工夫

  • 骨盤を立てる:椅子に深く腰掛け、骨盤を立てる意識を持ちましょう。お尻の下にクッションを敷くと、自然に骨盤が立ちやすくなります。
  • 30分ごとに立ち上がる長時間同じ姿勢でいると筋膜が固まりやすくなります。タイマーをセットして、30分ごとに立ち上がって軽く体を動かしましょう。
  • 足を組まない:足を組むと骨盤が傾き、腰の筋膜に偏った負担がかかります。両足を床にしっかりつけるのが理想的です。

立ち姿勢の改善

  • 体重を両足に均等に:片足に体重をかける癖がある方は要注意。左右の筋膜に不均等な負担がかかり、腰痛の原因になります。
  • 壁を使ったチェック:壁に背中をつけて立った時、後頭部、肩甲骨、お尻、かかとが自然に壁につくのが理想的な姿勢です。腰と壁の間に手のひら一枚分の隙間があるくらいがちょうどいいんです。

筋膜を健康に保つ簡単エクササイズ

1. キャット&カウ(猫と牛のポーズ)

四つん這いになって、背中を丸めたり反らしたりする動きです。
筋膜全体を動かすことができ、特に背中の筋膜の柔軟性を高めます。

朝起きた時や、デスクワークの合間に5回ずつ行うと、筋膜がほぐれて体が軽くなりますよ。

2. 体側伸ばし

立った状態で、片手を上に伸ばして体を横に倒します。
体の側面の筋膜を伸ばすことができます。左右それぞれ30秒ずつキープしましょう。

3. 骨盤回し

腰に手を当てて、骨盤をゆっくり大きく回します。
腰周りの筋膜をまんべんなく動かすことができます。右回り、左回りそれぞれ10回ずつが目安です。

姿勢改善は「意識」から「習慣」へ

最後に、姿勢改善で最も大切なことをお伝えします。
それは、「完璧な姿勢を目指さない」ということです。

研究によると、どんなに良い姿勢でも、同じ姿勢を長時間続けることは筋膜にとって負担になることが分かっています。
大切なのは、こまめに姿勢を変えること、そして体を動かすことなんです。

僕も整体師として多くの患者さんを見てきましたが、「姿勢を良くしなきゃ」と力んでいる方ほど、かえって筋膜が硬くなっていることがあります。
リラックスして、自然な良い姿勢を心がけることが大切です。

姿勢の改善は、一朝一夕にはいきません。でも、毎日少しずつ意識することで、必ず体は変わっていきます。
筋膜は、適切な刺激を与え続けることで、柔軟性を取り戻すことができるんです。

まとめ

  • 筋膜は全身をつなぐネットワークで、姿勢の影響を受けやすい
  • 悪い姿勢は筋膜の高密度化や癒着を引き起こす
  • 30分ごとに姿勢を変えることが大切
  • 簡単なエクササイズで筋膜の柔軟性を保つ
  • 完璧を目指さず、リラックスして良い姿勢を心がける

次回は、治療アプローチ編「ストレイン・カウンターストレイン療法の効果」について詳しくご紹介しますのでお楽しみに!
日常生活で姿勢に気をつけながら、腰痛のない快適な毎日を目指していきましょう。

 

参考文献

1. 筋膜の高密度化と線維化について

“Painful connections: densification versus fibrosis of fascia”

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25063495/

この論文は、長時間同じ姿勢でいることで起こる筋膜の「高密度化(densification)」について詳しく解説しています。
記事で書いた「濡れたスポンジを絞って乾かしたような状態」という表現の科学的根拠となる研究です。

2. 筋膜の可動性と姿勢習慣の関係

“Fascia Mobility, Proprioception, and Myofascial Pain”

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34357040/

「姿勢習慣による癒着」が筋膜の層間の可動性を失わせることについて、具体的に説明されています。
記事で触れた「筋膜同士の癒着」のメカニズムが科学的に解説されている論文です。

3. 筋膜のテンセグリティ構造について

“Scoping review and interpretation of myofascial pain/fibromyalgia syndrome”

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8849503/

筋膜の「テンセグリティ」モデルについて詳しく解説し、全身の筋膜ネットワークがどのように張力を伝達するかを説明しています。
記事で紹介した「全身タイツ」の例えの科学的根拠となる研究です。

4. 筋膜リリースと姿勢安定性

“Analysis of Postural Stability Following the Application of Myofascial Release Techniques”

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9915703/

胸腰筋膜が腰痛の原因となる可能性と、筋膜リリース技術による改善効果について研究されています。
記事で紹介したエクササイズの効果を裏付ける論文です。

5. 筋膜の病理的変化と慢性疼痛

“The deep fascia and its role in chronic pain and pathological conditions”

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35417568/

胸腰筋膜を含む深部筋膜の5つの主要な病態(慢性腰痛、慢性頚部痛など)について、組織の硬さの増加と筋線維芽細胞の活動変化を解説しています。

 

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