腰痛による体の動きの制限は日常生活に大きく影響しますが、適切な治療を受けた方の多くが前屈10.9%・後屈20.3%・側屈17.7%の改善を実感しています。
この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!
脊柱側弯症専門のフィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。
はじめに:「あれ?前はこんな動きできたのに…」
「朝、靴下を履こうとしたら腰が曲がらない…」
「車の後部座席の荷物を取ろうとしたら、体をひねれない…」
「床に落ちたものを拾うのが怖い…」
このような経験、ありませんか?
僕の整体院にも、このような悩みを抱えた40代〜50代の女性の方が多くいらっしゃいます。
今回は、シリーズ第4回として「腰痛があると、どうして体の動きが制限されるのか」「それが日常生活にどんな影響を与えるのか」について、分かりやすくお話ししていきますね。
前回のおさらいと今回のポイント
前回までの3回で、筋・筋膜性腰痛の基本的な仕組みと、筋膜トリガーポイントが動きを制限するメカニズムについてお伝えしました。
今回は、もっと具体的に「腰痛がある方の体の動きの特徴」と「それが日常生活でどんな困りごとにつながるか」を詳しく見ていきます。
きっと「そうそう、まさにこれ!」と共感していただける内容だと思いますよ!
腰痛があると制限される4つの動き
1. 前かがみ(屈曲)の制限
最も多くの方が困るのが、前かがみの動きです。
研究によると、腰痛がある方の多くは、健康な方と比べて前屈の角度が明らかに制限されているんです。
- 靴下や靴を履くのが大変
- 床に落ちたものを拾えない
- 掃除機をかける姿勢がつらい
- ガーデニングや草むしりができない
- 孫を抱き上げるのが怖い
2. 体を反らす(伸展)の制限
意外と気づきにくいのが、体を後ろに反らす動きの制限です。
でも、これも日常生活では重要な動きなんですよ。
- 高い棚の物を取るのがつらい
- 洗濯物を干す動作が苦手
- 長時間座った後、立ち上がって背筋を伸ばせない
- 美容院でシャンプー台に寝るのが怖い
3. 体を横に倒す(側屈)の制限
左右に体を倒す動きも、腰痛があると制限されやすくなります。
特に腰方形筋という筋肉にトリガーポイントがあると、この動きが苦手になるんです。
- 車の運転席から助手席の物を取れない
- ベッドメイキングで体を横に倒せない
- お風呂で背中を洗うのが大変
- ヨガやストレッチができない
4. 体をひねる(回旋)の制限
体をひねる動きは、実は日常生活で最も多く使う動きの一つなんです。
これが制限されると、生活の質がグッと下がってしまいます。
- 車の運転で後ろを振り返れない
- ゴルフやテニスなどのスポーツができない
- 横を向いて誰かと話すのがつらい
- 買い物袋を持ち替える動作が苦手
なぜ動きが制限されるの?3つの理由
理由1:筋肉の中にできる「硬いしこり」
筋・筋膜性腰痛の特徴である筋膜トリガーポイント(硬いしこり)があると、その筋肉が正常に伸び縮みできなくなります。
例えるなら、ゴムひもの途中に結び目ができているような状態。
これでは、スムーズに伸びることができませんよね。
理由2:痛みを避ける「防御反応」
体は賢いので、痛みを感じると「これ以上動かしたら危険!」と判断して、筋肉を硬くして動きを制限します。
これは体を守るための大切な反応ですが、長く続くと「動かさない→さらに硬くなる→もっと動かせない」という悪循環に陥ってしまうんです。
理由3:筋膜のつながりによる連鎖反応
筋膜は全身をつなぐボディスーツのようなもの。
腰の筋膜に問題があると、その影響は背中や脚にまで及びます。
だから、腰痛なのに肩まで動かしにくくなったり、脚の動きまで悪くなったりすることがあるんですよ。
動きの制限が生活に与える5つの影響
1. 家事が億劫になる
掃除、洗濯、料理…どれも体をいろいろな方向に動かす必要があります。
動きが制限されると、これらの日常的な家事が本当に大変になってしまいます。
実際の声:「掃除機をかけた後は、必ず腰が痛くなるので、掃除の回数が減ってしまいました」(52歳女性)
2. 趣味や運動を諦める
ガーデニング、ヨガ、ダンス、ゴルフ…楽しみにしていた趣味も、体が動かないと続けられなくなります。
これは精神的にもつらいですよね。
実際の声:「大好きだった社交ダンスを、腰痛で諦めました。人生の楽しみが一つ減った気がします」(48歳女性)
3. 仕事のパフォーマンスが落ちる
デスクワークでも、立ち仕事でも、体の動きが制限されると仕事の効率が落ちます。
特に長時間同じ姿勢を続けることが難しくなるんです。
4. 家族との時間が減る
お孫さんと遊べない、家族旅行に行けない、買い物についていけない…動きの制限は、大切な人との時間も奪ってしまいます。
5. 自信を失う
「前はできたのに…」という思いが積み重なると、自信を失ってしまいます。
でも、これは決してあなたのせいではありません。適切なケアで、必ず改善できるんです。
良いニュース:制限された動きは改善できる!
ここまで読んで、少し気持ちが重くなったかもしれません。
でも、安心してください!
研究によると、適切な治療を受けた方の多くが、動きの改善を実感しているんです。
例えば、ストレイン・カウンターストレインという治療法を受けた方は:
- 前屈が平均10.9%改善
- 後屈が平均20.3%改善
- 横への動きが平均17.7%改善
という結果が報告されています。
これは「靴下が履けるようになった」「高い棚の物が取れるようになった」という、実際の生活の改善につながる数字なんですよ。
今日からできる3つのセルフチェック
1. 前屈チェック
立った状態で、ゆっくり前屈してみましょう。
指先が床にどのくらい近づきますか?
無理は禁物ですが、毎日同じ時間にチェックすると、変化が分かりやすいですよ。
2. ひねりチェック
椅子に座って、上半身だけ左右にひねってみましょう。
左右で差はありませんか?
痛みを感じる角度はどのくらいですか?
3. 日常動作チェック
「靴下を履く」「床の物を拾う」「高い棚の物を取る」この3つの動作で、どれが一番苦手ですか?
これが分かると、どの動きを改善すべきかが見えてきます。
まとめ:あきらめないで、必ず良くなります
腰痛による動きの制限は、確かに日常生活に大きな影響を与えます。
でも、それは「年だから仕方ない」というものではありません。
筋・筋膜性腰痛の多くは、適切な治療とセルフケアで改善できるんです!
大切なのは、自分の体の状態を正しく理解すること。
そして、あきらめずに改善に向けて一歩ずつ進むことです。
次回は「痛み・可動域・生活機能の三角関係」について詳しくお話しします。
なぜ痛みが減ると動きが良くなるのか、動きが良くなると生活がどう変わるのか、その関係性を分かりやすく解説しますね。
あなたの「当たり前の動き」を取り戻すお手伝いができれば、僕もとても嬉しいです。
一緒に頑張っていきましょう!
次回予告:「痛み・可動域・生活機能の三角関係〜どう関連し合うのか〜」では、痛みの軽減と動きの改善がどのように生活の質を高めるのか、その相乗効果について詳しくお伝えします。
お楽しみに!
参考文献
1. 筋膜性腰痛と可動域制限の基本的関係を示す文献
Myofascial low back pain: a review
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20977957/
この総説は、筋膜性疼痛症候群が「疼痛を伴う可動域制限(painful restricted range of motion)、こわばり、関連痛パターン、自律神経機能障害」を引き起こすことを明確に示しており、記事で説明した「なぜ腰が硬くなるのか」の科学的根拠となります。
2. ストレイン・カウンターストレインによる可動域改善効果
Effect of muscle energy technique with and without strain–counterstrain technique in acute low back pain
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6385547/
この研究は、ストレイン・カウンターストレイン(SCS)技術が腰痛患者の「痛み、可動域(ROM)、障害において統計的に有意な改善」をもたらすことを示しており、記事で紹介した「制限された動きは改善できる」という主張を裏付けています。
3. 筋膜トリガーポイントと日常生活機能への影響
Myofascial trigger points, pain, disability, and sleep quality in patients with chronic nonspecific low back pain
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23947760/
この研究は、「活動性トリガーポイントの数が多いほど痛みの強度が高く、睡眠の質が悪い」ことを示し、また「患者は健常対照群よりも高い障害度と睡眠の質の低下を示した」ことを明らかにしており、記事で説明した日常生活への影響を科学的に支持しています。
4. マッサージ療法による腰椎可動域の改善
Lower back pain is reduced and range of motion increased after massage therapy
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11264915/?dopt=Abstract
この研究は、「マッサージ療法を受けた参加者は、痛み、うつ、不安の軽減を報告し、睡眠も改善した」ことを示し、手技療法による可動域改善の効果を実証しています。
5. 腰痛が日常生活動作に与える影響の総合的研究
Association between low back pain and various everyday performances: Activities of daily living, ability to work and sexual function
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6851039/
この総説は、「腰痛が日常生活動作(ADL)、労働能力、性機能」に与える影響を包括的に検討しており、記事で取り上げた「家事が億劫になる」「仕事のパフォーマンスが落ちる」「家族との時間が減る」といった具体的な影響を学術的に裏付けています。
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