この記事を監修している人:奥村龍晃(柔道整復師資格保有)
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こんにちは!
フィジカルバランスラボ整体院、
院長の奥村龍晃です。
今回は、最近増えている股関節の痛みについて、実際の症例をもとにお話ししていきます。
なぜ今、股関節の痛みが注目されているの?
長時間のデスクワークと立ち仕事を組み合わせた働き方が増えている昨今、股関節の痛みに悩む方が急増しています。
特に40代以降の女性に多い症状なんです。
今回は、45歳女性の患者さんの症例をもとに、股関節の痛みの原因と治療方法について詳しくお話ししていきます。
気になる症状の始まり
この方の症状は2024年1月から始まりました。
最初は左足の付け根(専門用語では「鼠径部(そけいぶ)」といいます)に痛みを感じ始めたそうです。
特に思い当たる原因もなく、徐々に症状が出てきたのが特徴的でした。
僕が気になったのは、以下の3つのポイントです。
- デスクワークと立ち仕事の両方をしている
- 和式の生活(床での生活)をしている
- 夜になると痛みが強くなる
症状の特徴と進行
最初は足の付け根の痛みだけだったのが、だんだん太もも外側にしびれが出てくるようになりました。
患者さんの表現を借りると、
「直径3センチくらいの範囲が、ジワーッと痛くて、ヒリヒリする感じ」
というものでした。
特に気になったのは、以下の特徴です。
- 長時間立っていると症状が悪化
- 夜間に痛みが強くなって眠れないことも
- 朝起きた時に痛みが残っている
- 症状の強さが日によって変化する
なぜ通常の治療では改善しにくいのか?
実は、この症例の難しいところは「痛みの性質」にあります。
通常の筋肉の痛み(医学用語では「侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)」)であれば、原因となる動作を避けると痛みは落ち着くはずです。
でも、この患者さんの場合、
- 何をしても痛みが続く
- 痛み止めがあまり効かない
- 治療直後は変化を感じにくい
という特徴がありました。
これは、単なる筋肉の痛みではなく、神経の関与や痛みの慢性化が疑われるケースなんです。
僕が行った治療アプローチ
1. 大腿直筋(太もも前面の筋肉)へのアプローチ
まず、太もも前面の筋肉の緊張を和らげていきます。
ただし、ただほぐすだけではなく、周囲の組織との「滑り」を改善することが重要です。
2. 小殿筋(お尻の横にある筋肉)への治療
股関節の安定性に重要な役割を果たす小殿筋にもアプローチします。
特に、股関節を外側に開く動き(外転)と内側にひねる動き(内旋)を組み合わせた治療を行います。
3. 総合的なアプローチ
- 骨盤の位置を整える
- 股関節全体の動きを改善
- 日常生活での動作指導
自宅でできるケア方法
患者さんには以下のようなアドバイスをしています。
- 長時間の同じ姿勢を避ける
- 適度な休憩を取り入れる
- 就寝前の姿勢に気を付ける
- 急激な改善を求めすぎない
最後に
股関節の痛みは、単純に「筋肉が痛い」というだけではないケースが多いんです。
特に夜間の痛みがある場合は、神経の関与や痛みの慢性化を考える必要があります。
焦って即効性のある治療を求めるのではなく、じっくりと原因を探りながら、適切な治療を続けることが大切です。
もし同じような症状でお悩みの方がいらっしゃいましたら、一度専門家に相談することをおすすめします。
早めの対処が症状の改善への近道になりますよ!